■なづけびと■
足音
高校も行かず、毎日の様に酒浸りの毎日。

優希は僕の親友だった。

優希は僕とは違い、交友関係が広く、早熟だった。

そんな僕も、アイツの事は言えず、アルコールに狂っていた。

優希「刹那、今度の土曜日合コンがあるんだって。お前、イケメンだし、おとりになってよ?」

僕はため息を吐きながら、喰わず嫌いのモノを貪る作戦を練っていた。

刹那「酷いね(笑)またお前のおとり?俺は言うまでもなくイケメンさ。」

優希は笑った。

優希「其れ、自分で言うなよな(笑)」

刹那「そうだよな、ははは…(笑)」

優希が企む様にして僕を見る、耳打ちで話す声そのものが受け付けない。

優希「次の合コン、マダムばっかりだって…(笑)お前の得意分野なんじゃねぇの?」

僕は乗った。

刹那「…ははは…で?何系?」

優希「美人ばっかりだって?どう?」

刹那「まっ、いいんじゃねぇの?俺とりあえずおとりだし。」

優希「お前って本気で鬼畜だなぁ?」

刹那「そう…?(笑)」

優希「そーだよ、お前が1番サイテーだよ(笑)」

そうして乾杯しながら、互いの作戦会議は脳内で行われて居たんだ。

察っして欲しいだけだったのに。
いつもいつも我慢していたのは僕の方なのに。
それなのに何故、この人は僕の事をバカにしているんだろう?

失せろ。
優希は親友、そうだ親友、親友だ。
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