わたしにキセキがおきるなんて
キセキのはじまり
「おはようございまーす」
自分のデスクの時計を見ると
7時30分。
あ、いつもより早く着いた。
都築 さやか
今時のアプリの会社に勤めてる
28歳の非リア充女子。
「おはよー都築!今日は早いね!」
と返してくれたのが
私の斜め前のデスクの
早瀬 由紀子
私の直の上司。
二児の母で頼りになる先輩。
こう見えて42歳という
憧れポイントしかない。
近くにいると色々眩しすぎて・・自分が・・
あーだめだめ。朝から病むところだった。
「いつもよりちょっと早く起きちゃって。」
自分のデスクに荷物を置いた。
「じゃあコーヒータイムにしよーよー」
由紀子さんが立ち上がり給湯室へ。
私も慌ててマフラーを外し
由紀子さんの後を追った。
「今日だよねー、飲み会。」
私にコーヒーを渡し、自分の分のコーヒーをセットしていた。
「ありがとうございます。
でもいいんですか?
私なんかが一緒行って。」
ミルクたっぷり砂糖たっぷり入れたコーヒーを一口飲む。
「なーに言ってんの。私になんかあったら、都築以外に誰が引き継ぐのよ。
次期リーダーなんだから、顔覚えてもらわないとね。」
飲み会という名のリーダー会。
1か月に2回行われるリーダー会。
各部署のリーダーが社長に現状報告する。
そして2か月に1回はそのメンバーでの飲み会。
コミュニケーション取るのが名目だけど、
みんなお酒飲みたいだけだよね…。
だからかリーダー皆仲良いし、社長にもフランクに話しかけてる。
そんな中に入るのかー
人見知りでお酒が苦手な私には
拷問としか思えない・・・
でも由紀子さんいるし。
こんな風に言ってくれるのはとても嬉しい。
頑張ろう!!
と決意し、
「はい!頑張ります!」
いつもの1日が始まる
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