わたしにキセキがおきるなんて
泣き腫らした目は
見るも無残な姿になっていた
家を出るギリギリまで
氷で冷やしたり
レンジで蒸したタオルをあてたり
したけど
まだまだ腫れていた
隠すためにマスクをして
前髪もいつもより多めにとり
なんとか見れる状態にはなったけど
何度も鏡を見ていたせいか、
ふと気づくと
時計は8時前を指していた
大慌てで今までにはないスピードで
上着を羽織りカバンをとって靴をはき、
ダッシュで会社へとむかった
着いたのは8時ちょうど
本当会社の近くでアパート借りてよかった
6年勤めてて改めて思った
でも時間をかけて作った前髪は
結局ボサボサに
鏡を見る時間もなく
自分のデスクに
「お…おはようございます。」
後ろ姿の由紀子さんに声をかけ、
荷物をおろす
「おはよー..ってどしたん?
ボサボサやし、マスクやし!
風邪でもひいた??!」
私の姿を見た由紀子さんが
発狂しながらこっちにきた
「いえ、風邪ではないんですけど...
「しんどかったら言うんよ?!あんま無理しないで!」
食い気味に話す由紀子さんを見て
思わず笑ってしまった
「え?何?!笑うとこあった??」
戸惑う由紀子さんがまたおかしくて
「いや全然。笑
でも由紀子さんの顔みたら
なんか元気でてきました!」
「それって褒めてんの?!けなしてんのー?!」
「褒めてます!褒めてますから!笑」
と2人で笑ってじゃれ合っていたら