わたしにキセキがおきるなんて
16時45分。
あと15分。
この書類をまとめれば今日の仕事は終わり。
「都築ー終わりそうー??」
パソコンから顔あげると
由紀子さんが向かい側から顔を出していた
「はい!もうこれまとめたら終わりです!」
「そっかー!私はちょっと終わりそうにないんだわ。
悪いけど都築、先に飲み会行ってくれる?」
え?そんな!
「私にできることならお手伝いしますよ!」
「ありがたいんだけど、2人遅れるのはあれだから・・ごめんね!」
と申し訳なそうに手を合わしていた
たしかに2人遅れるのはダメだよね。
「分かりました!無理しないでくださいね!
何かあったら連絡してください。
では先に向かいますね!」
由紀子さんが気にしないように
いつもより明るく言った
「ありがとねー!他のリーダーには都築のこと頼んでるから。」
由紀子さんと笑顔で別れ、
飲み会の場所へと向かう。
急に不安になってきた、
どうしよう。
あっという間に
お店の前に着いた。
あ、予約って誰の名前でしてるんだろう?
会社の名前?
戸惑っていると
「おい!何してるんだ?入らないのか?」
後ろから声かけられて
振り向くと
うちの社長だった、
「都築だろ?早瀬の部下の。
二階貸切にしてるから。入れ。」
社長に促され
二階に上がったら
もうほぼ勢揃いしていた
「高野社長!お待ちしてましたよ!!」
社長は部屋の奥に入って
自分の席についたのを
ただ見ていた
私は・・・
入り口の席が空いていたので
大人しく座り、横の先輩方に挨拶をした
「都築さんよね?早瀬から聞いてるよ!
初参加だよね。
私 南って言います。仲良くしようね」
あ、この人由紀子さんと仲良い人だ!
とても優しそうで、どことなく由紀子さんと雰囲気が似てるような。
南さんの顔を見ると、不安だった気持ちが
すっと軽くなった。
「はい!よろしくお願いします。私も由紀子さんから南さんの話はちょこちょこ聞いてて。
南さんがいてくれてよかったです。1人じゃ不安だったので。」
正直に話したら
南さんが笑って
「かわいーなー!早瀬が可愛がるのわかるわー。」
照れていると
「さ、みんなだいたい揃ったので今から飲み会はじめまーす!!」
「みなさんグラスもってー
今月もお疲れ様でした!カンパーイ!」
と飲み会が始まった
私は南さんと乾杯をし、近くのリーダーさんと乾杯をした。
一番苦手なビールを口にしながら
周りの話をただ聞いていた