わたしにキセキがおきるなんて
1LDKの小さなアパート
ここが私の家。
ドアを開けるといつもの風景に
ほっとする
さっきの社長の部屋を思い出す
夢みたいだった。
思い出すだけで胸がドキドキする
遠い存在だった社長なのに
一気に近い存在になり
なんか自分が自分じゃないみたい
シャワーを浴びて普段着に着替えても
まだぼーっとする
あ、スマホ。
いつも手元にないと落ち着かないのに
今の今まで存在を忘れてた
ラインめっちゃきてる
由紀子さんからだ
[大丈夫?社長から聞いたよ
あれから帰ったんだって?]21:05既読
[無事着いた?]21:18既読
[寝ちゃったかな?
1人で無理させて本当ごめん!
私が早く行ってたら…。]21:42既読
[こっちのことは気にしなくていいからね。
ゆっくり休んでね!]21:43既読
由紀子さん…。
迷惑かけちゃったな。
[由紀子さん、おはようございます。
昨日は本当にすみませんでした。
無事に帰れました。私が自己管理できなくて。由紀子さんは気にしないで下さい。
先に帰ってしまってすみませんでした。]8:21
はぁーやってしまったなぁ
スマホを机に置くと
ピロンッ
[もー心配したんだからね!てゆうか、そんな謝らないで!
でもあの後本当に家に帰ったの?]8:22既読
どきっとした
どうゆうかんじでこれ聞いてるの?!
文章だけじゃわかんないよ
なにか知ってるの?!
[ありがとうございます!
無事帰りましたよ!どうしてですか(*´ー`*)?]8:24
由紀子さんに嘘つくのは
つらい、
でもあんなこと言えないし…。
[そうなんだ!それなら良かった!
いや社長が戻ってくるの遅かったから、どうしたのかと思って。]8:24既読
そうゆうことか!
社長、私を家に置いてまた戻ったんだ
そりゃそうだよね
なんか本当申し訳ないよ
[そうなんですか!私あまり覚えてないですけど、社長がタクシー手配してくれました。そのタクシーに乗って帰ったのは覚えています(・∀・)]8:26
嘘がすぐつけるのは
なんでだろう
嫌な自分。
[そっかそっか!社長優しいね☆
今日はゆっくり休むんだよ!また月曜日から頑張ろうね〜!]8:27既読
[そうですね!優しかったです。
はい、月曜日からまたよろしくお願いします(^^)]8:28
スマホをテーブルに置いて
ベットにダイブした
自分の失態に恥ずかしさがこみ上げてきて
「はぁー」
ため息ついて
そのまま意識がとんだ