美意識革命
― ― ― ― ―
目が覚めたのは由梨の方が早かったようだ。がっちりと回ったままの腕を見やる。
(…ずっと抱きしめられてたんだ…。)
目の前にある、30歳とは思えないあどけない寝顔にそっと手を伸ばす。
「…ゆ…り…さん?」
「っ…!」
伸ばした手が捕まった。
「おはよ…。」
「おはよう…ございます…。」
「手、ちっちゃいね…由梨さん。」
そのまま手を自分の頬につける森。寝ぼけているのか、確信犯なのか。
「由梨さんから触ってくれたのが嬉しい。…最高の誕生日。もうすでに…。」
腕に力が入って、由梨は抜け出せない。
「も、森さん!ご飯!朝ご飯食べないと!」
「まだいい~!もうちょっと由梨さんを堪能する~!」
「は、はなし…。」
「離しちゃって、いいの?」
「うっ…。」
確信犯だ。しかし、それに逆らえないのは由梨が悪い。
「素直な由梨さん、ものすごく可愛い。好き。」
額に乗ったキス。森は唇まで優しいことは、ようやく知れたことだ。
「わ、私に今日の誕生日のおもてなしを頑張らせる気、ないですね…?」
「由梨さん、もうたくさん頑張ってくれたでしょ。気持ちを伝えるのって楽じゃないってわかるから。それでも頑張ってくれた。本当に充分。これ以上もらったらもらいすぎ。」
「…そんなこと、ないです。私は待たせた分も返したいです。」
「…じゃあ、由梨さんからキスして?」
「へっ!?」
有り得ない方向からのお願いが飛んできた。
「待たせた分返したいんでしょ?はい、目は瞑ってるから!」
本当に目を瞑る森。由梨はゆっくりと顔を近付け、唇を重ねた。ほんの一瞬だけ。
「…ありがと。」
森が由梨の頭を撫でる。由梨の方といえば、布団の中にもぐりこむしか逃げ場がない。
目が覚めたのは由梨の方が早かったようだ。がっちりと回ったままの腕を見やる。
(…ずっと抱きしめられてたんだ…。)
目の前にある、30歳とは思えないあどけない寝顔にそっと手を伸ばす。
「…ゆ…り…さん?」
「っ…!」
伸ばした手が捕まった。
「おはよ…。」
「おはよう…ございます…。」
「手、ちっちゃいね…由梨さん。」
そのまま手を自分の頬につける森。寝ぼけているのか、確信犯なのか。
「由梨さんから触ってくれたのが嬉しい。…最高の誕生日。もうすでに…。」
腕に力が入って、由梨は抜け出せない。
「も、森さん!ご飯!朝ご飯食べないと!」
「まだいい~!もうちょっと由梨さんを堪能する~!」
「は、はなし…。」
「離しちゃって、いいの?」
「うっ…。」
確信犯だ。しかし、それに逆らえないのは由梨が悪い。
「素直な由梨さん、ものすごく可愛い。好き。」
額に乗ったキス。森は唇まで優しいことは、ようやく知れたことだ。
「わ、私に今日の誕生日のおもてなしを頑張らせる気、ないですね…?」
「由梨さん、もうたくさん頑張ってくれたでしょ。気持ちを伝えるのって楽じゃないってわかるから。それでも頑張ってくれた。本当に充分。これ以上もらったらもらいすぎ。」
「…そんなこと、ないです。私は待たせた分も返したいです。」
「…じゃあ、由梨さんからキスして?」
「へっ!?」
有り得ない方向からのお願いが飛んできた。
「待たせた分返したいんでしょ?はい、目は瞑ってるから!」
本当に目を瞑る森。由梨はゆっくりと顔を近付け、唇を重ねた。ほんの一瞬だけ。
「…ありがと。」
森が由梨の頭を撫でる。由梨の方といえば、布団の中にもぐりこむしか逃げ場がない。