ずっと、君との約束を。
「えっと…よろしくね?桐生くん。」
「ん。」
その日の放課後、初めて二人で文化祭の相談をするが、なんというか…居心地が悪い。
それから何度か試みるが、会話は全く弾まない。
桐生くんはどうやら二人きりで無言が続いても苦ではないタイプの人間のようだ。
私はどうしても気にしてしまう人間だから、ソワソワしてしまう。
しかし、どうして桐生くんは実行委員をやってくれたんだろう。
面倒くせぇ。とか言ってやらないだろうと思ってたのに。
「…そういえば、比嘉。お前仕事してんのか…?さっきなんか言いかけてたよな。」
「えっ、あっ…えっと、」
「いちいち吃るな。言いたくねぇなら言わなくていい。」
「あ、ごめん…仕事は、一応舞台女優…。まだまだ端くれだけどね。」
「へぇ。すげぇじゃん。」
意外だった。
桐生くんから話しかけてくれるのも、素直に褒めてくれるのも。
あまりにもビックリしすぎて固まっていると桐生くんが笑い始めた。
「はは、比嘉は俺をなんだと思ってたんだよ。」
「なっ…そんなに笑わなくてもいいじゃん!」
「そりゃ最初は急に話しかけてくるし、なんだこの変人。としか思ってなかったけどさ。今、そんな悪いやつじゃねぇってわかったから。」
一体、桐生くんの目には私はどう映っていたのだろうか…。
どうやら桐生くんも私が思っているよりも、ずっといい人みたい。