ずっと、君との約束を。
「…蒼、初恋まだでしょ。」
「えっ。うんまぁ。約束の男の子と離れ離れになってから誰も好きになってないよ。」
尚哉くんはまるでお兄ちゃん(いないけど)のような顔で頭を撫でてくる。170cmもあるからあまり撫でられる事に慣れてなくて、少し照れる…。
「蒼は恋についてよく考えたほうがいいよ。もう高校生なんだから。」
「う、うん…。でも、私は恋愛とは縁がなくて…。」
「蒼が気づいてないだけで、周りに蒼のことが好きな男はたくさんいるよ。」
そう…なのかな。でも、尚哉くんが言うのなら、それが正しいのかも。
確かに今まで周りの男の子を男性として見たことはあまり無かったかもなぁ…。
「…うん、気をつけてみてみるよ!尚哉くん、ありがとう。またアドバイスしてね、尚哉先生!」
すると、教室のドアがノックされた。…千秋くんだ。
「蒼、担任が呼んでる。いくぞ。」
「あっ、うん!いまいくね!…尚哉くん本当ありがとう、また練習よろしくね。」
スタスタとさきに歩いて行った千秋くんを追いかけるべく、私は教室を出た。
「…俺も周りの男、なんだけどな…。」