ずっと、君との約束を。
一つ離れている千秋くんはやっぱり私達とどこか違うような雰囲気がある。
ああやって、同じ年の人たちと話していたほうが自然に感じる。気のせいかもしれないけど。
……ずるいなぁ、私も同い年だったら…。
何かはわからないけど、胸がモヤモヤする。
私、あの女の子たちに嫉妬してるのかな。
「…蒼!やっと見つけたよ。」
「あ、尚哉くん…どうしたの?」
向こうの方から尚哉くんが息を切らせながらやって来た。
ロミオの衣装を着ているので、まるで本当の王子様みたいだ。
「いや、もうすぐ始まるのに教室にいないから…探してた。」
「…えっ、ホント?ごめんね…」
「ううん、大丈夫。それより、早く行こう。みんな待ってるよ」
「あ…待って、千秋くん呼んでくるね。」
「………桐生くんは裏方だから、最初はいなくても大丈夫だよ。きっと後から来るって」
「…でも…。」
「………行こう?」
尚哉くんは私を探しにここまで来てくれた。でも、私は千秋くんを置いてはいけない。尚哉くんかどうしてそんなに急がせたいのかは知らないけど、まだ開始には十分間に合うはずだ。
「…ごめん、先に行ってて。探してくれてありがとう。」
そう言って私は、千秋くんを呼び戻すために、声をかけに行った。
尚哉くんはしばらくこっちを見つめて何かを呟いたようだったが、私の耳には何も聞こえなかった。
「………千秋くん、ね……チッ」