ずっと、君との約束を。

「…ち、千秋くん!教室戻るよ!」

私は先輩の中に埋もれている千秋くんに思い切って声をかけた。
が、千秋くんの返事を聞く前に、高い声が周りに響いた。

「え~~!何この子、可愛い~!千秋のカノジョ?」

「ちげーよ、クラスメイト。今回のメインなんだぜ?可愛いだろ?」

ほら、サラッと可愛いとか言っちゃうんだよ…。お世辞って事はわかってるんだけど、やっぱり嬉しくなっちゃう。
でも、友達じゃなくてクラスメイトか…あれ、すごい悲しい。

「先輩、からかわないでください…千秋くんも!」

「…だっから、千秋くんじゃなくて千秋だっつの。」

「…千秋。みんな待ってるから早く行こう。」

あーー!千秋くんも先輩も悪くないのはわかってる。わかってるんだけど心が苦しい。
友達だと思ってたのは私だけなの…?、

「…何か怒ってんの?俺なんかした?」

「…してないし、怒ってないっ!」

友達じゃなくてクラスメイトって言われたことが思いの外ダメージが大きい、なんて気付きたくなかった。
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