ずっと、君との約束を。
「邪魔。どいてくんない?」
「…えっ、あっ、ごめん、桐生くん。」
廊下を塞いでいた私達に声がかかった。
当然初めて見る顔だが、それにしたって怖い。佐々木くんよりも15センチくらい身長がが高くて圧迫感がある。不良のテンプレートのような人だ。
ピアスいくつ開いてるんだろうとか、髪の色は地毛じゃないよなぁとか、いろいろ考えが巡る。目を合わせることはできない。
そう考えているうちに、彼はさっさと行ってしまった。
「佐々木くん、今の人は…?」
「え?あぁ、桐生 千秋くん。教室にもう一つ空き席があったでしょ?あの席の子だよ。ただなかなか授業には出ない子みたい。今年一つ上の学年から留年してきたんだ。」
「先輩なんだ…。なんだか怖い人だったな。」
「大丈夫だよ。あの人はタバコも酒も暴力もしないって有名だから。要するにただのサボり魔みたいなものだよ。」
「うん…。」
怖い人だった…。
でも、きっと、間違いない。
あの声は、
あの人は私の約束の––––。