ずっと、君との約束を。
「…比嘉さん…?こんなところで何してるの?」
「あっ、佐々木くん。もう帰っちゃったけど、さっきまでここで桐生くんとお話してたんだ。」
佐々木くんは委員の仕事終わりの休憩なのだろうか。
缶コーヒーを片手に、ベンチに座る私の少し隣に座った。
「そうなんだ。その様子だと、何かいい返事が貰えたのかな?」
「えっ…わかりやすいかな…?私が仲良くしたいっていったら、勝手にしろって答えてくれたんだ〜。」
「……それでいいのか…。」
佐々木くんは苦笑いだったけど、私はこれが嬉しいのだ。
近寄るなとまで言われた桐生くんに、実質近付いていいと言われたのだから。
勝手にしろと言われたからには、本当に勝手にします、私。
「………じゃあ、僕とも仲良くしてくれる…?」
「えっ…いいよ…?というか、今でも仲良い方だよ…?」
「あの…尚哉って、呼んでくれないかな?僕も、蒼って呼びたい。」
「えっ、あ、うん。いいよ、尚哉くん。」
「ありがとう、蒼。」
男の子を名前で呼ぶのなんて初めてで、少し緊張した。
でも、少しのぎこちなさは私の胸をより一層高鳴らせた。