【短編】人はこれをや恋といふらむ
『風をいたみ 岩うつ波の おのれのみくだけてものを 思ふころかな』



ひょい、と差し出してきたノートに今度は百人一首。


良かった、気付かれてないみたい。

久しぶりに例の古文現代語訳依頼だ。

そしてまたしても恋の歌。

だけど最初のときほど驚かないで済んだ。


でも、さっきの出来事でまだドキドキしてる……

鎮まれ私の心臓。

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