大切なキミの一番になりたかった。
幼い頃から私と一馬のことも、可愛がってくれている。やさしくて頼もしくて。ユウくんもまた私が辛い時、そばで支えてくれた。

そんなユウくんに私は恋をしている。ユウくんはきっと私のことなんて、妹みたいにしか思っていないかもしれないけど、私はユウくんが好き。

今までは幼なじみとしてそばにいられれば、それだけでいい。そう思っていたけれど、最近はちょっと焦っている。

「お邪魔します」

ユウくんを招き入れ、後を追ってリビングへ向かうものの、見つめてしまうのは大きな背中。

いつからだろう。

ユウくんの身長が急激に伸びて、声が低くなって。広い肩幅や浮き出た喉ぼとけにびっくりしたのは。

すっかり男の子っぽくなっちゃって、ユウくんはモテるようになった。

好きな人がいるとか、彼女ができたって話は聞かないけど……最近気が気じゃない。

三年生には綺麗な先輩や可愛い先輩がたくさんいるから。

ユウくんに彼女ができちゃったらどうしようって心配でたまらないんだ。
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