大切なキミの一番になりたかった。
それなら告白すればいいだけの話なのかもしれないけれど、簡単に気持ちを伝えることなんてできない。

伝えて気まずくなって、今のように話せなくなりそうで怖いから。

「知花、台所借りていい? スイカ切るよ」

「え、そんな……! 私がやるよ」

真っ直ぐキッチンへ向かうユウくんの後を追う。

「じゃあお皿もらえる?」

にっこり微笑むユウくんに、渋々頷き食器棚から大きなお皿を取ると、美野里と一馬の視線を感じた。

ふたりを見るとなにか言いたそうに、ニヤニヤしている。


「おい、なんだよふたりとも。気持ち悪いな」

そんな視線に気づいたのは私だけではなかったようで、スイカを切りながらユウくんが問いかけると、美野里が弾む声で言った。

「いや~なんかやり取りが新婚さんみたいだなって思って」

「あぁ、俺も思った」

しっ……! 新婚さんって……っ!!

ギョッとしお皿を手にしたまま固まる私とは違い、ユウくんは呆れたように深い溜息を漏らした。
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