大切なキミの一番になりたかった。
「それを言ったらお前らの方だろう? 寛ぐ姿は新婚そのものだぞ?」

「やだ! お兄ちゃんってばなに言って……っ」

「そうだよ、ユウくん!」

途端に慌てふためくふたりに、ユウくんと顔を見合わせ笑ってしまった。

やっぱり今はまだ、ユウくんに気持ちを伝えるべきじゃないのかもしれない。

だってこんな風に四人で過ごす時間が、私にとってかけがえのない大切なもので、なにより幸せだって思えるから。


この幸せを失うのが怖い。一度大切な幸せを失ってしまったから余計に怖くなる。

だから今はまだ、幼なじみで彼にとって妹のような存在でもいい。

一番になれなくてもいい。そばにいられるなら……。
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