大切なキミの一番になりたかった。

突然の別れ

『それじゃ知花、明日お兄ちゃんとプレゼント買ってから行くから、準備の方悪いけどよろしくね』

「了解! ごちそうたくさん作って待っているね」

『楽しみにしてる!』


七月二十九日。お風呂から上がると、タイミングよく電話をかけてきたのは美野里だった。

『おやすみ、また明日ね』

「うん、また明日」

決まり文句を言って電話を切った後、美野里の浮かれ具合が想像できて口もとが緩んでしまった。


明日は一馬の誕生日。毎年四人それぞれの誕生日には、誕生日会をやっている。今年の一馬の誕生日は私の家でやることになった。

今まではケーキとプレゼントを用意して簡単な誕生日会だったけれど、家事をやるようになって、それなりに料理もできるようになった。

だったら美味しいご飯を作って盛大にお祝いしてあげたいと思ったんだ。

ユウくんと美野里に午後からプレゼントを買いに行ってもらっている間、私は料理やケーキの準備に取りかかる。


お母さんも夕方には帰ってくるから最後手伝ってもらって、夜からそれぞれの家族も呼んで盛大な一馬の誕生日会を予定している。
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