大切なキミの一番になりたかった。
朝から日差したっぷりで洗濯物は乾いていたけれど、昼間とは打って変わり雲行きが怪しい。

「やだ、夕立がくるのかも」

そういえば今日の朝の天気予報で、午後は広い範囲で夕立の可能性があるって言っていた気がする。

そんなことを思い出しながら空を見上げていると、ポツ、ポツと雨が降り始めた。

「あ、言っているそばから……っ」

慌てて家の中に入ると、雨はあっという間に本降りになる。

「みんな大丈夫かな……」

すぐ止むといいんだけど。美野里とユウくん、傘持って行ったのかな？　濡れて来るかもしれないし、とりあえずタオルを用意しておこう。

洗濯物を片づけ、料理の準備を再開させたものの……さっきから時計ばかり見てしまう。


時刻は十七時過ぎ。十七時半には一馬が来る予定になっている。

美野里とユウくん、十六時半には家に来るって言っていた。それにお母さんも今日は十六時に仕事が終わるから、十六時半には帰ってくるって言っていたのに帰ってこない。
< 15 / 50 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop