大切なキミの一番になりたかった。
「買い物が長引いていて、お母さんは急患が入ったとかだよね?」

降り始めた雨は今も降り続いていて、聞こえてくる強い雨音に、不安に襲われてしまう。

するとインターホンが鳴りホッとしたものの、来たのは一馬だった。

「え、まだ美野里とユウくん来ていないのか?」

「……うん」

家に上げ事情を説明すると、一馬は驚いたものの、私の気持ちを察してくれたのか安心させるように言った。

「きっと美野里がユウくんにワガママ言って寄り道しているんだよ。もう少ししても来なかったら電話してみよう」

「そう、だね」

「おばさんも急患が入ったんだろう。……大丈夫、帰ってくるさ」

「うん……」

一馬が早めに来てくれてよかった。ひとりでずっと不安を抱えたままでいるのは辛かったから。

「さっきからすっげぇいい匂いする。知花の料理、楽しみ」

「本当? うれしいな」
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