大切なキミの一番になりたかった。
「なんだよ、これ……ドッキリか? 俺の誕生日にびっくりさせようって思っているんだろう?」

床に膝をつき、ベッドに手をかけ美野里に話しかける一馬の姿に、おじさんとおばさんは視線を落とした。

「早く目を覚ませよ。俺がびっくりするプレゼント用意してくれたんだろ? いつもみたいに笑えよっ……!」

震える声で訴える一馬に、涙が零れ落ちてしまった。

私だって一馬と同じ気持ち。こんなのドッキリだって思いたい。

おじさんとおばさん、お母さんまで巻き込んだ大掛かりな一馬への誕生日ドッキリだって。

そうでなかったら、あまりに辛くて受け入れることなんてできないから……。

すすり泣く声が病室中に響く中、お母さんがゆっくりと話し出した。


「交差点で信号待ちしていたふたりに、スリップした車が突っ込んできて……美野里ちゃん……搬送されてきた時点で、とても危険な状態だったの。残念だけど、手の施しようがなかった」

「そんなっ……うそですよね!?」
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