大切なキミの一番になりたかった。
そうだよ、美野里が今の私たちを見たら悲しむ。「知花がしっかりしないでどうするの!?」って言って怒られちゃうそう。

そんな美野里の姿が想像できちゃって、悲しいのにクスリと笑ってしまった。

お父さんの癌が見つかってから今までずっと美野里はもちろん、ユウくんや一馬にたくさん支えられてきた。

お母さんの言う通り、今度は私が支える番じゃないのかな? 美野里の親友として、ふたりの幼なじみとして。

「お母さん……明日、ユウくんのお見舞いに行ってもいいかな?」

「もちろん! 勇心くんも喜ぶと思うわ。……できたら一馬くんにも会いに行ってあげて」

「うん……!」


いつまでも塞ぎ込んだままではいられない。こんなこと、美野里は絶対に望んでないはずだから。

今度は私がふたりを支えるんだ。美野里が私の立場だったら、きっとそうするはずだから――。
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