大切なキミの一番になりたかった。
私……自分のことで精いっぱいだった。

美野里がいなくなった現実を受け入れたくなくて、なにも考えず、ずっと家に閉じこもったままで……。

でもそれはユウくんも一馬も同じはず。

私たちは幼い頃からずっといっしょにいたんだ。楽しい時もうれしい時も、辛い時も悲しい時も――。

そんなふたりだからこそ、私が支えたいって思う。二年前、お父さんを亡くし悲しみのどん底にいた私を救ってくれたように。


たどり着いた先は、ゆうくんの名前プレートが書かれている病室の前。

高鳴る胸の鼓動を落ち着かせるように大きく深呼吸をした後、ドアをノックし扉を開いた。

カーテンが開かれている明るい病室のベッドの上で、ユウくんは窓の外の景色を眺めていた。

その姿に胸が痛んでしまう。ユウくんは後ろ姿だけでもわかるくらい、痩せ細ってしまっていたから。

私が部屋に入ってきたのに、ユウくんはこちらを見ることなく、ただジッと空を見上げたまま。


「ユウ……くん?」

恐る恐る声をかけると、彼の身体は少しだけ反応し、ゆっくりとこちらを見た。
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