大切なキミの一番になりたかった。
ユウくんの病室を後にしてすぐに向かった先は一馬の家。

けれど、一馬に会うことはできなかった。

一馬はずっと部屋に閉じこもったままだと、おばさんから聞いた。一馬もまた自分を責めているとも――。


『俺の誕生日プレゼントを買いに行かなければ、美野里は死なずにすんだんだ』そう嘆いていたとも……。


それを聞いて一馬の気持ちが理解できるからこそ、泣きそうになってしまった。

きっと私も一馬の立場だったら、同じように自分を責め後悔していたと思うから。

ユウくんの気持ちも、一馬の気持ちもわかるからこそ私にできることをするんだ。

美野里ならきっと、「前へ進もう」って言ってくれると思うから……。強くそう誓った。
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