大切なキミの一番になりたかった。

「そっか、そうだよな。知花は昔からしっかりしていたもんな。いつもギリギリまでやらないで、最後に俺たちに助けを求めてきたのは、美野里だったよな」

自然と出た美野里の名前に、ドキッとしてしまう。

今日までなんとなく暗黙の了解で、美野里の話をしていけない気がしたから。

それはユウくんもだったのか、話し終えた後ハッとし視線を泳がしながら「ごめん」と呟いた。

「あ、ううん！　そんな謝らないで」

それに私、うれしいから。ユウくんの口から自然と美野里の名前が出たことが。

喜びを嚙みしめていると、彼はなぜか照れ臭そうに話し出した。

「さっき……本当、不思議と自然に美野里の話をしてた。……自分でもびっくりしている」

「……うん」

「でも俺が今、こうやって笑えているのも、受験勉強する気になれているのも、全部知花のおかげだから」

真っ直ぐ向けられた真剣な瞳に、胸がトクンと鳴ってしまう。