大切なキミの一番になりたかった。
三人で美味しくお弁当を食べ終え、リビングで宿題の話などをしていると、来客を知らせるインターホンが鳴った。

「誰だろう」


モニターで確認すると、そこにはもうひとりの幼なじみであり、美野里のお兄ちゃん、樋山勇(ゆう)心(しん)の姿があった。

「ユウくん……」

思わずモニター越しに呟いてしまうと、ユウくんはこちらに向かって笑顔で手を振った。

「なに? お兄ちゃんも来たの?」

「うん」

美野里に答えながらも玄関へと急ぐ。

早く会いたい一心で勢いよくドアを開けると、ユウくんは驚いた顔を見せたものの、すぐに顔を綻ばせた。

「三日ぶり、知花」

「……うん、三日ぶり」


ユウくんとは終業式の日から会っていなかった。長い休みは好きじゃない。学校がないと毎日ユウくんに会えないから。

「美野里と一馬来ているんだろ? 母さんからこれ」

そう言いながらユウくんは手にしたものを掲げた。

「わぁ、スイカだ」

「みんなで食べろってさ。上がってもいい?」

「うん、もちろん」

ユウくんは私たちより一歳年上の受験生だ。夏休みでも午前中は毎日学校へ行っている。
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