レンアイ経験値〜余裕なキミとドキドキなアタシ〜
そう呟いた後、沙央里は「クラス発表を見てくるから、先に下駄箱に向かってて」と言って人込みに紛れていった。
今日から男の子のいる生活。
男の子となるべく会わないように、早めに家を出たせいか、男の子の姿はまばらだった。
遠くから見るのは平気なんだけど、近くにいるのは苦手。
ちょっとしたことがあって、私は男の子が苦手になった。
それ以来、私はある体質を持つようになった。
そしてそれが女子校を選んだ一番の理由だったりする。
緑女は先生も皆、女の人だったから平気だったんだけど……
私はどうしたら平穏に男の子と「共存」できるのかを真剣に悩んでいた。
だから、気付かなかったんだ。
私の下駄箱の陰に人がいたことに。