レンアイ経験値〜余裕なキミとドキドキなアタシ〜
―――ドンッ!!
「きゃあ!?」
私は物陰にいた人と思い切りぶつかった。
そしてバランスを崩した身体は宙を舞った。
「危な……ッ」
視界の端に金の光が踊った。
もうだめだと思い、ギュッと目をつむる。
だが、何時まで経っても衝撃は訪れなかった。
スローモーションのようにゆっくり倒れていく身体は、地面に叩き付けられる寸前のところで抱き留められていた。
恐る恐る閉じた目を開くと、天使のように美しい少女が私を見詰めていた。
「大丈夫?」
透き通ったボーイソプラノの声。
光を受けてキラキラと輝く金色の髪。
青みがかった灰色の瞳。
抜けるように白い肌。
頬は熟れた桃のようにすべらかだった。
ああ、こんなに綺麗なひとが、本当に存在するんだなぁ……
私は返事をするのも忘れ、その美しさに見入っていた。