極上求愛~過保護な社長の新妻に指名されました~
「お待たせ、茜ちゃん」
カウンター席に座って待っていた私の元ににこにこした耀さんがアルバムを抱えて帰ってきたのはものの数分後。
そうして私が悶絶したのは、アルバムが開かれてから3秒後のことだった。

「…っ!」
幼少期の雪さんに1ページ目から心のど真ん中を撃ち抜かれていく。

なにこれ、もうかわいすぎる…っ!

「私たちが初めて雪と会ったのが、縦割り保育のこのインターナショナルスクールだったの。3歳の雪がもうペラペラすぎて、こいつは一体何者なんだって思ったの今でも覚えてるわ」
「3歳…」

耀さんが指さしてくれる制服姿の3人が写った写真を見ながら思い浮かべた一般的な3歳の子どもの姿と結び付かなすぎて、それ以上考えることをやめる。

「ま、その頃はまだ可愛かったのよ。でも初等部からはファンクラブみたいなのが出来ちゃって」
「ファンクラブですか!?」
「中等部では男子生徒の中で雪だけが金髪だったわ。ずっと成績トップだったから誰も何も言えなかったけど」
「あ、もちろんファンクラブも継続してたわ☆」と付け加えながら耀さんが次のページをめくっていく。

平々凡々生きたきた私には雪さんの歴史が漫画の中の世界の話みたいでどうにも現実味が湧いてこない。
だけどこうなると、もう高校を見るのが怖いような楽しみなような…
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