極上求愛～過保護な社長の新妻に指名されました～

「じゃあ少し休憩！再開は１５分後で」
ぱんっと手を叩いた水野編集長の合図を皮切りに、皆がそれぞれに席を立つ。
再び出そうになった欠伸をぐっとこらえ、波に乗って会議室を出た。

やばい強烈な眠気が…

一気にやってきた眠気を振り払おうとひとまず外に向かう。

非常階段のある踊り場に続く扉を開けると、ひゅうっと心地よい風が一気に身体を包み込んだ。
明るい場所まで足を進めると、暖かい日差しと少しだけ冷たさの残る風がとても気持ちがいい。

あぁこんなに暖かいなら先にコーヒー買ってくればよかった…

順番を間違えたことを悔やみながら、あと５分風に当たったら自販機に向かおうと決めたとき。

「どうぞ」
ふわっとした香ばしいコーヒーの香りと一緒に声が聞こえて振り返ると、笑顔の槙くんが立っていた。

「ブラックですけど、大丈夫ですか？」
「あ、うん大丈夫…」

私の返事を聞いた槙くんが安心したように顔を綻ばせる。

「少しお疲れの様子なのかなと思って…迷惑だったらすみません」
「め…迷惑なわけないよ！ありがとう、嬉しい」
「本当ですか？よかったぁ」

さらに花が咲いたみたいに、ぱあっと笑顔が広がった。

て、天使…！