極上求愛~過保護な社長の新妻に指名されました~
「国枝里香って…なんか、やっぱりすごいんだね」
月並みだけど、それが映画を見終えた私の率直な感想だった。
嘘と秘密が複雑に交差するストーリーの中に、今まで見たことのない国枝里香がいて。裏切りという行為があんなに華麗で優雅に見えたのは初めてだった。
舞台挨拶から映画の上映が終わるまでの時間は本当にあっという間に感じられ、まだ興奮が覚めやらない。
「それじゃあ行きましょうか」
「あ、そうだね!よろしくお願いします」
「ふふ、そんなに改まらなくても」
ついさっき国枝里香という人間に魅入られたばかりなわけで、そんな彼女と今から直接話が出来るのだと思うと楽しみな反面なんだか緊張してしまう。
けれどそんな私とは反対に槙くんはとてもリラックスした様子なのだから、彼は本当になんというか…肝が据わっている。
「あぁ、昂太くん!こっちこっち」
そんなことを考えながら会場を出ると廊下の先から声が聞こえて、こちらを向いて手を上げる男の人の姿が見えた。
「こんばんは、三澄さん。今日は急なお願いだったのにありがとうございます」
「いや、いいんだよ。里香もきっと喜んでるはず」
「そうだといいんですけど。あ、こちらは会社の先輩で…」
槙くんの言葉に続けるように自己紹介をして、名刺を交換して軽く挨拶を交わす。
そうして国枝里香のマネージャーである三澄さんに案内され、私たちは廊下を進んでいった。
「ここだよ。じゃあ30分後に」
「はい、ありがとうございます」
控室の前まで連れてきてくれた三澄さんが去っていき、槙くんが扉越しに部屋の中へと声を掛ける。
すぐに帰ってきた「どうぞ」の声を聞いてから、ゆっくりとドアが開けられた。
月並みだけど、それが映画を見終えた私の率直な感想だった。
嘘と秘密が複雑に交差するストーリーの中に、今まで見たことのない国枝里香がいて。裏切りという行為があんなに華麗で優雅に見えたのは初めてだった。
舞台挨拶から映画の上映が終わるまでの時間は本当にあっという間に感じられ、まだ興奮が覚めやらない。
「それじゃあ行きましょうか」
「あ、そうだね!よろしくお願いします」
「ふふ、そんなに改まらなくても」
ついさっき国枝里香という人間に魅入られたばかりなわけで、そんな彼女と今から直接話が出来るのだと思うと楽しみな反面なんだか緊張してしまう。
けれどそんな私とは反対に槙くんはとてもリラックスした様子なのだから、彼は本当になんというか…肝が据わっている。
「あぁ、昂太くん!こっちこっち」
そんなことを考えながら会場を出ると廊下の先から声が聞こえて、こちらを向いて手を上げる男の人の姿が見えた。
「こんばんは、三澄さん。今日は急なお願いだったのにありがとうございます」
「いや、いいんだよ。里香もきっと喜んでるはず」
「そうだといいんですけど。あ、こちらは会社の先輩で…」
槙くんの言葉に続けるように自己紹介をして、名刺を交換して軽く挨拶を交わす。
そうして国枝里香のマネージャーである三澄さんに案内され、私たちは廊下を進んでいった。
「ここだよ。じゃあ30分後に」
「はい、ありがとうございます」
控室の前まで連れてきてくれた三澄さんが去っていき、槙くんが扉越しに部屋の中へと声を掛ける。
すぐに帰ってきた「どうぞ」の声を聞いてから、ゆっくりとドアが開けられた。