極上求愛~過保護な社長の新妻に指名されました~
「いらっしゃい。久しぶりね、昂太」
リラックスした様子でソファに座っていた国枝里香に美しすぎる笑顔で迎えられ、思わずドキッとしてしまう。

き、きらきらしてる…!
美人はやっぱりいい匂いがするんだなんてしょうもないことを考えていると、前にいる槙くんが口を開いた。

「今日は突然ごめんな、ありがとう」
「どういたしまして…と、そちらの女性は?」
向けられた視線に少し慌ててしまいながらも、一つ深呼吸をしてからその瞳を真っすぐに見つめ返した。

「初めまして!英泉社『HAUTE』編集部から来ました柏木茜です。今日はお忙しい中、お時間を頂きありがとうございます」
「国枝里香です。こちらこそ今日は来て下さってありがとう」

女神…!

仕事の関係で今までにも何度か女優さんに会ったことはあったけれど、ここまで隙のない笑顔を見たのは初めてな気がした。
形のいい唇から紡ぎ出される言葉も一つ一つが輝きを放っているかのような、そんな錯覚さえしてしまいそうになる。

「今回は取材ってほどじゃないんだったかしら?」
「あぁ、うん。里香がどんな人間なのかを知るために来た…彼女が」
「えっ私!?」
にこっと微笑む槙くんに急に話を振られて思わず声が上ずった。

「あれ、違いましたっけ?」
「いや、違わないけど…」
「今のは昂太の振り方が意地悪よね、茜ちゃん」
「えー」

槙くんが国枝里香にため口なこととか、彼女が思いのほかフレンドリーなうえになぜかすでに茜ちゃんって呼ばれていることとか。突っ込むところが多すぎてなんだかもうよくわからなくなってしまう。

…だけどそのおかげで会話はどんどん弾んで。
30分後に三澄さんがやってくるまで、終始和やかな雰囲気の中少しも話題が途切れることはなかった。
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