極上求愛~過保護な社長の新妻に指名されました~
「参考になりました?」
「うん、とっても!」
「ならよかったです」
会場を後にする頃にはすっかり夜も深くなり、空には綺麗な月が輝いていた。
「茜先輩家どこらへんですか?」
「会社の近くだよ」
「それなら俺も方向同じなので…タクシーでいいですか?」
「あ、うん」
先に向かうことになった私の家を目指して動き出したタクシーの中で、私はどうしようか悩んでいた。
ちらっと横目で隣に座る槙くんに目を向ける。
いや、今しかない!
「槙くん」
「はい?」
「なんで里香さんと知り合いなの?」
2回くらいふわっとはぐらかされて結局わからないままだったその疑問を意を決して伝えたのだけれど…
「…秘密です」
「なんで!?」
3回目ははぐらかされるわけでもなく、おもいきり秘密だと言われてしまった。
はぁ、もうこれ以上はしつこくなるからやめておこう…
相手は大女優、もしかしたら人には言えないなにか事情があるのかもしれないもんね!
そんな答えに辿り着き、答えを聞くのはすっぱり諦めようと思い始めたとき。
「そんなに俺のこと気になりますか?」
「え?」
思いのほか近くで聞こえた声に顔を上げると、いつのまにか縮まっていた槙くんとの距離に驚いた。
さらにすっと目を細め、口角を上げた顔が近付いてくる。
っ、ち、ちょっと…!?
「男も女も一つくらい秘密がある方がなんだか魅力的じゃないですか?」
触れないギリギリの距離まで近づいた槙くんが、人差し指をたててそっと自身の唇に添えた。
その仕草が妙に色っぽくて、思わず息をのむ。
「なんてね!そのうち機会があったらお話しします」
今日わかったこと。
里香さんが気さくで優しくて、案外笑いの沸点が低い、温かい人だということ。
槙くんはなにやら秘密を抱えているうえに、ただの天使じゃないのかもしれないということ。
「うん、とっても!」
「ならよかったです」
会場を後にする頃にはすっかり夜も深くなり、空には綺麗な月が輝いていた。
「茜先輩家どこらへんですか?」
「会社の近くだよ」
「それなら俺も方向同じなので…タクシーでいいですか?」
「あ、うん」
先に向かうことになった私の家を目指して動き出したタクシーの中で、私はどうしようか悩んでいた。
ちらっと横目で隣に座る槙くんに目を向ける。
いや、今しかない!
「槙くん」
「はい?」
「なんで里香さんと知り合いなの?」
2回くらいふわっとはぐらかされて結局わからないままだったその疑問を意を決して伝えたのだけれど…
「…秘密です」
「なんで!?」
3回目ははぐらかされるわけでもなく、おもいきり秘密だと言われてしまった。
はぁ、もうこれ以上はしつこくなるからやめておこう…
相手は大女優、もしかしたら人には言えないなにか事情があるのかもしれないもんね!
そんな答えに辿り着き、答えを聞くのはすっぱり諦めようと思い始めたとき。
「そんなに俺のこと気になりますか?」
「え?」
思いのほか近くで聞こえた声に顔を上げると、いつのまにか縮まっていた槙くんとの距離に驚いた。
さらにすっと目を細め、口角を上げた顔が近付いてくる。
っ、ち、ちょっと…!?
「男も女も一つくらい秘密がある方がなんだか魅力的じゃないですか?」
触れないギリギリの距離まで近づいた槙くんが、人差し指をたててそっと自身の唇に添えた。
その仕草が妙に色っぽくて、思わず息をのむ。
「なんてね!そのうち機会があったらお話しします」
今日わかったこと。
里香さんが気さくで優しくて、案外笑いの沸点が低い、温かい人だということ。
槙くんはなにやら秘密を抱えているうえに、ただの天使じゃないのかもしれないということ。