極上求愛~過保護な社長の新妻に指名されました~
「ただ…茜に何があったかは、聞いてもいいのかな」
少しの間のあと、静かだけれどはっきりとした意思の滲む声色で雪さんが問いかける。
「あ、えっとそれは…私から話していいなら話すけど、茜はどうしたい?」
私の気持ちを確かめるように向けられたその問いに対する答えは、思いのほかすぐに出た。
…自分の口で話したい、と。
「少し2人で話してきてもいい?」
「…もちろん」
そうして、少し心配そうな2人の視線に見送られながら…雪さんと私はリビングを後にした。
「散らかっててごめんなさい…あ、ここどうぞ」
「大丈夫だよ、ありがとう」
部屋の真ん中にある小さなガラステーブルの上に置いたままだった雑誌を重ねて端に寄せ、前にある座椅子を雪さんに勧める。
「あ、今日うちの会社には…お仕事か何かで?」
「いや、近くに用事があったから…茜に会いに」
いざ2人きりになるとどう話を切り出してよいのかわからなくなり、思い付いた言葉が口から零れた。
「そうだったんですね…せっかく来てくださったのに、会社にいなくてごめんなさい」
「いや、アポ無しで行ったのは俺の方だから。大丈夫だよ」
無駄にどうでもいい所を片付けながら、部屋の中をうろうろと彷徨う。
あぁ、もう私何やってるんだろう…
「何か急ぎの用事とかがあったり…」
「いや、そういうわけじゃなかったんだけど…茜」
名前を呼んだ雪さんの瞳が、私を捉えた。
「先に茜の話が聞きたい。茜が目尻を赤くしてるのと何か関係があるのなら、なおさら」
「…っ」
真っすぐに向けられるその瞳は…どこか茉優と夕に似ている気がして。
「ちゃんと聞くから。ゆっくりでいいから最初から話してほしい」
包み込むように促されるまま、私はようやく雪さんの向かいに腰を下ろした。
少しの間のあと、静かだけれどはっきりとした意思の滲む声色で雪さんが問いかける。
「あ、えっとそれは…私から話していいなら話すけど、茜はどうしたい?」
私の気持ちを確かめるように向けられたその問いに対する答えは、思いのほかすぐに出た。
…自分の口で話したい、と。
「少し2人で話してきてもいい?」
「…もちろん」
そうして、少し心配そうな2人の視線に見送られながら…雪さんと私はリビングを後にした。
「散らかっててごめんなさい…あ、ここどうぞ」
「大丈夫だよ、ありがとう」
部屋の真ん中にある小さなガラステーブルの上に置いたままだった雑誌を重ねて端に寄せ、前にある座椅子を雪さんに勧める。
「あ、今日うちの会社には…お仕事か何かで?」
「いや、近くに用事があったから…茜に会いに」
いざ2人きりになるとどう話を切り出してよいのかわからなくなり、思い付いた言葉が口から零れた。
「そうだったんですね…せっかく来てくださったのに、会社にいなくてごめんなさい」
「いや、アポ無しで行ったのは俺の方だから。大丈夫だよ」
無駄にどうでもいい所を片付けながら、部屋の中をうろうろと彷徨う。
あぁ、もう私何やってるんだろう…
「何か急ぎの用事とかがあったり…」
「いや、そういうわけじゃなかったんだけど…茜」
名前を呼んだ雪さんの瞳が、私を捉えた。
「先に茜の話が聞きたい。茜が目尻を赤くしてるのと何か関係があるのなら、なおさら」
「…っ」
真っすぐに向けられるその瞳は…どこか茉優と夕に似ている気がして。
「ちゃんと聞くから。ゆっくりでいいから最初から話してほしい」
包み込むように促されるまま、私はようやく雪さんの向かいに腰を下ろした。