極上求愛~過保護な社長の新妻に指名されました~
「あーもう!俺が入る隙なんて本当これっぽっちも無かったんですね」
「え?」
力が抜けたようにどかっと椅子に腰を下ろした槙くんが、大きく息を吐きながら天井を仰ぎ見る。
「俺決めました」
「え?何を…」
「正々堂々、茜先輩の事奪いに行きます」
「…はい?」
真っすぐにこちらへと向けられた瞳とは相反した間抜けな声が思わず喉から出た、そのとき。
「それは聞き捨てならないな」
つかつかと歩いてきた声の主が、槙くんから遠ざけるように私との間に立った。
すぐ側で見上げた彼の呼吸は心なしか乱れていて、普段よりも熱い何かを感じさせる。
「雪さんどうしてここに…」
「どうしてはこっちの台詞。携帯も出ないし…」
「え…」
ポケットから取り出した携帯の画面を開こうとするけれど、そこには充電切れを示す電池のマークが表示されるだけだった。
「あ、はは…」
「さすがに心配した」
「うぅ、ごめんなさい…」
斜め上にある雪さんの顔をちらりと見上げると、ほっとしたような優しい瞳がそこにあって。
心配してくれてたんだ…
「…あはは!」
そんな時、突然吹き出すように聞こえた笑い声の方に視線を向ける。
「っ、すみません。なんか本当に…茜先輩、大事にされてるんですね」
ゆっくりと笑いをおさめた槙くんの表情は、次第に穏やかなものへと変わっていった。
「え?」
力が抜けたようにどかっと椅子に腰を下ろした槙くんが、大きく息を吐きながら天井を仰ぎ見る。
「俺決めました」
「え?何を…」
「正々堂々、茜先輩の事奪いに行きます」
「…はい?」
真っすぐにこちらへと向けられた瞳とは相反した間抜けな声が思わず喉から出た、そのとき。
「それは聞き捨てならないな」
つかつかと歩いてきた声の主が、槙くんから遠ざけるように私との間に立った。
すぐ側で見上げた彼の呼吸は心なしか乱れていて、普段よりも熱い何かを感じさせる。
「雪さんどうしてここに…」
「どうしてはこっちの台詞。携帯も出ないし…」
「え…」
ポケットから取り出した携帯の画面を開こうとするけれど、そこには充電切れを示す電池のマークが表示されるだけだった。
「あ、はは…」
「さすがに心配した」
「うぅ、ごめんなさい…」
斜め上にある雪さんの顔をちらりと見上げると、ほっとしたような優しい瞳がそこにあって。
心配してくれてたんだ…
「…あはは!」
そんな時、突然吹き出すように聞こえた笑い声の方に視線を向ける。
「っ、すみません。なんか本当に…茜先輩、大事にされてるんですね」
ゆっくりと笑いをおさめた槙くんの表情は、次第に穏やかなものへと変わっていった。