極上求愛～過保護な社長の新妻に指名されました～

私の肩に額を乗せたままなぜか微動だにしない雪さんの様子に、自分がどうすべきか次の行動を決めかねていると。

「…もう１回」
囁きにも近い、そんな小さな声が聞こえて。

「俺のこと好きだって、言って？」
「…っ」
思わず目の前の身体をぎゅっと抱きしめる。

「好きです、大好きです」

心を込めて言葉を紡ぐと、ゆっくりと顔を上げた雪さんの瞳と視線が交わった。
どちらからともなく額をコツンと重ね合わせる。
言葉だけじゃ表しきれない気持ちを、それ以外の全てをも費やして相手に伝えるかのように。

「…俺も大好き」
少し頬を染めた雪さんが呟いて、私の前髪にキスを落とす。

「ふふっ、くすぐったいです」
「…じゃあこっち」

伸びてきた腕が優しく後頭部に添えられて、そのまま今度は唇を塞がれる。
次第に深くなっていくそのキスは、まるで宝物にでも触れるかのように優しかった。