極上求愛~過保護な社長の新妻に指名されました~
そんなユウとの会話から数日が過ぎた日。
知り合いのレセプションパーティーに招待され、顔を出した。
「…はぁ」
会場の中にいると息をするように声を掛けられるものだから、頃合いを見ていったん外に避難して。
俺が主役なわけじゃないんだけどな…なんて考えながら、どれだけ自分の事業が拡大しても思い知らされる父親の偉大さを感じていたときだった。
ん…?
視界の端になんだか辛そうにしている女性が目に入って。
次の瞬間傾いたその身体に、考えるよりも先に手を伸ばすように駆け出していた。
まさかそれが茜ちゃんだなんて思ってもみなかったから驚いたけれど…彼女は気付いていなかったようだったから、なんとなく馴れ馴れしくはできなくて。
知っているのが一方的なのは、なんだか少しさみしいような気もしたけれど。
そのときはそれよりも、一刻も早く彼女のことを着替えさせたかった。
「ちょっと付いてきて」
こんな無防備な彼女の姿が、誰か他の男の目に入ってしまう前に。