極上求愛~過保護な社長の新妻に指名されました~
「今さらそんなに恥ずかしがらなくても」
「でっ、電気がついてるのとついてないのとでは全然違いますー!」

背中から抱きしめられる格好で湯船につかり、今にも全身が沸騰しそうな私とは正反対で雪さんはいつもと変わらず飄々としている。

私ばっかり意識して恥ずかしい…

雪さんのわがまま、それは“一緒にお風呂に入る”というものだった。

内容を言ったら私が渋ることわかってたから、絶対先に答えを求めたんだろうな…

確信犯の雪さんをちらっと横目でにらんで見せるけれど…当の本人はにこにこ、上機嫌なご様子だ。

「ねぇ茜ちゃん。せっかく一緒にいられるのに茜ちゃんの顔が見えないのは淋しいんだけど」

普段とは少し違う拗ねた子どものような声色でそう呟きながら、雪さんが私の肩に顎を乗せる。

「もう、そんな言い方ずるいですよ…」
「そんな言い方って、どんな言い方?」

耳元に雪さんの吐息がかかり、今度は色気を帯びた低い声が響く。

この人には敵わない、そう感じて抵抗することを諦めて身体の力を抜くと、待っていたかのようにそのまますっと身体ごと雪さんの方を向かせられる。

「ちょっ…」
「やっと可愛い顔が見られる」

全身の体温がどんどん上がって、湯船のお湯が熱いのか、自分の身体が熱いのか、もう何が何だかわからなくなる。

「茜ちゃん、目見て」

俯いた私の目線を自分の目線に合わせるように優しく顎を掬われ、唇が重なった。

「ん…っ」
伸びてきた手がするりと太ももを撫で上げ、甘い吐息とともに身体が跳ねる。
「ゆ、ゆきさ…」
制止の声を諌めるように、さらに熱い唇が私の中の熱を引き出していく。

「ごめん、待てない」

合間にこぼれる吐息、低い囁き、痺れるような甘さに眩んでいく意識の中で、もう何度目かわからない雪さんからのキスを受け止めていった。

< 68 / 208 >

この作品をシェア

pagetop