極上求愛~過保護な社長の新妻に指名されました~
「雪さん、最近ちゃんと寝てますか?」
ご飯を済ませたあと、ソファに並びあって座りながらふと心配だったことを尋ねてみた。
「うん、1日3時間くらいは」
「毎日3時間ですか!?」
「今だけだよ。仕事の合間に仮眠とかもとってるし…今抱えてる案件がひと段落するまで」
なんてことのないように話す雪さんは仕事の出来るどこまでも大人な人だと思う。
だけど…どうやったら、私は少しでもこの人の支えになれるんだろう。
「雪さん」
「ん?」
「私がいることで雪さんの負担を増やしたりはしていませんか?」
今日だって私の都合で突然来てしまった。癒すどころか逆に迷惑をかけているんじゃないか、そんな気持ちに苛まれて思わず顔を俯けた。
「茜ちゃん」
優しい声と一緒に伸びてきた手に髪を梳かれていく。壊れ物にでも触るかのように、そっと。
「茜ちゃんは全然わかってない」
「え?」
「俺がどれだけ茜ちゃんに癒されてるか」
私を見つめる雪さんの瞳はどこまでも温かく、気持ちを伝えるように大切に言葉を紡いでくれる。
「隣で笑ってくれる顔も、名前を呼んでくれるその声も、俺のために一生懸命になってくれるその姿も。全部、俺にとって癒しでしかない」
「っ…」
「俺が茜ちゃんに会いたいし、少しでも時間があるなら傍にいたいの」