極上求愛~過保護な社長の新妻に指名されました~
次に沈黙を破ったのは、私の携帯の着信音だった。
「出ないのか?」
「っ、今出る」
慌てて返事をしながら鞄の中から携帯電話を取り出して通話ボタンを押す。
着信画面を見て一瞬戸惑ったのを、秋ちゃんが見逃していないことには気が付かないまま。
「もしもし…」
『茜ちゃん?…何かあった?』
私の名前を呼んだその声は、何かを察したように声色を変えた。
「いえ、なんでも…」
「なんでもないことないだろ」
なんでもない、そう言いかけた私の言葉を遮るように秋ちゃんが私から携帯を取り上げた。
「っ、秋ちゃん!?」
取り返そうと伸ばした手は、もう片方の手に軽々と掴まれ静止させられる。
隙を与えることなく、秋ちゃんが私の携帯を自分の耳に当てていく。
「こんばんは、茜の幼馴染みの御堂といいます。何度かお会いしたことありますよね」
至って冷静な口調で秋ちゃんが話し出す。電話の相手が雪さんだと確信していたかのように。
「今日が終わるまでに茜に会いに来てください。場所は茜の会社から車で15分圏内のところにあるシティホテル。部屋の番号は…1072号室です。日付が変わるまでにあなたが現れなかったら、今日茜のことは帰しません」
一方的に話すと秋ちゃんは電話を切ってしまった。
「ちょっと秋ちゃん!?」
「これくらいいいんだよ。お前の大切な日にそばにいないで泣かせる男なら、俺はそんなやつに茜のことは渡さない」
「出ないのか?」
「っ、今出る」
慌てて返事をしながら鞄の中から携帯電話を取り出して通話ボタンを押す。
着信画面を見て一瞬戸惑ったのを、秋ちゃんが見逃していないことには気が付かないまま。
「もしもし…」
『茜ちゃん?…何かあった?』
私の名前を呼んだその声は、何かを察したように声色を変えた。
「いえ、なんでも…」
「なんでもないことないだろ」
なんでもない、そう言いかけた私の言葉を遮るように秋ちゃんが私から携帯を取り上げた。
「っ、秋ちゃん!?」
取り返そうと伸ばした手は、もう片方の手に軽々と掴まれ静止させられる。
隙を与えることなく、秋ちゃんが私の携帯を自分の耳に当てていく。
「こんばんは、茜の幼馴染みの御堂といいます。何度かお会いしたことありますよね」
至って冷静な口調で秋ちゃんが話し出す。電話の相手が雪さんだと確信していたかのように。
「今日が終わるまでに茜に会いに来てください。場所は茜の会社から車で15分圏内のところにあるシティホテル。部屋の番号は…1072号室です。日付が変わるまでにあなたが現れなかったら、今日茜のことは帰しません」
一方的に話すと秋ちゃんは電話を切ってしまった。
「ちょっと秋ちゃん!?」
「これくらいいいんだよ。お前の大切な日にそばにいないで泣かせる男なら、俺はそんなやつに茜のことは渡さない」