極上求愛~過保護な社長の新妻に指名されました~
「そろそろいいんじゃないか?」
少しの沈黙のあと、そう切り出した。
テーブルに置いてあったタオルを手に持って立ち上がると、つられたように茜も慌てて立ち上がろうとする。
「おまっ、なんで立ち上がって…」
「え、あ、わぁ…っ」
ぐらついた茜の身体を支えようと、駆け寄って手を伸ばす。
…けれど間に合わなくて、反転する視界の端でバケツが宙を舞った。
「っ、たた…」
豪快に床に倒れこみ、瞑った目を開けると俺に抱きしめられる状態で上に覆いかぶさっていた茜と目が合った。
至近距離で茜の顔がみるみる赤くなっていく。
「ごっごめん…!」
慌てて起き上がろうとする茜の身体に回したままだった腕に、ぎゅっと力を込める。
「1分間だけこうさせて」
“離したくない”本能がそう叫び、ほぼ無意識にそんなことを口走っていた。
守りたい。大切にしたい。
そんなのただの綺麗ごとだ。
俺のことだけ見てほしい。このままこの腕の中に閉じ込めてしまいたい。
口にすることが出来ない今のこの気持ちこそが、きっと俺の全てだ。
「あ、きちゃん…?」
腕の中から聞こえた声に、はっとする。
「…落ち着いたか?」
「え?」
「慌てて立ち上がろうとなんかしたらまた転ぶぞ」
「あっ、うん、もう大丈夫…」
「なら、よかった」茜に掛けた言葉を自分の中に反芻しながら、茜と一緒に立ち上がる。
涼しい顔をしてるつもりだけど、心の中は心臓がうるさいくらいに音を立てている。
男ってほんとどこまでもかっこつけたい生き物だよなーなんて他人事みたいに考えた。
少しの沈黙のあと、そう切り出した。
テーブルに置いてあったタオルを手に持って立ち上がると、つられたように茜も慌てて立ち上がろうとする。
「おまっ、なんで立ち上がって…」
「え、あ、わぁ…っ」
ぐらついた茜の身体を支えようと、駆け寄って手を伸ばす。
…けれど間に合わなくて、反転する視界の端でバケツが宙を舞った。
「っ、たた…」
豪快に床に倒れこみ、瞑った目を開けると俺に抱きしめられる状態で上に覆いかぶさっていた茜と目が合った。
至近距離で茜の顔がみるみる赤くなっていく。
「ごっごめん…!」
慌てて起き上がろうとする茜の身体に回したままだった腕に、ぎゅっと力を込める。
「1分間だけこうさせて」
“離したくない”本能がそう叫び、ほぼ無意識にそんなことを口走っていた。
守りたい。大切にしたい。
そんなのただの綺麗ごとだ。
俺のことだけ見てほしい。このままこの腕の中に閉じ込めてしまいたい。
口にすることが出来ない今のこの気持ちこそが、きっと俺の全てだ。
「あ、きちゃん…?」
腕の中から聞こえた声に、はっとする。
「…落ち着いたか?」
「え?」
「慌てて立ち上がろうとなんかしたらまた転ぶぞ」
「あっ、うん、もう大丈夫…」
「なら、よかった」茜に掛けた言葉を自分の中に反芻しながら、茜と一緒に立ち上がる。
涼しい顔をしてるつもりだけど、心の中は心臓がうるさいくらいに音を立てている。
男ってほんとどこまでもかっこつけたい生き物だよなーなんて他人事みたいに考えた。