サワーチェリーパイ 6ピース
体がフラつき、視界がゆがみ、思わず道の上に崩れ落ちる。


やっぱり、ベンチにアタマをぶつけたのがよくなかったんだろう。


そう思いながらも、立ち上がろうと何度もしたが、体が動かない。


ヤバイ、このままじゃ。


ゆれる意識の中で、俺は同じ学校の制服を見た……。


「おいっ! しっかりしろよっ! おいっ! 」


何度も呼びかけられるけれど、反応できない。


「救急車を呼ぶぞ! 」


ダメだ、そんな事をされた日にゃ、俺は学校での立場がなくなる。


アタマを何度も振り、止めてくれと頼む。


「どーすんだよぉっ! なぁっ! 」
「おい、晴斗。お前ンち近いよな、コイツ運び込もうぜ」
「えーっ」
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