サワーチェリーパイ 6ピース
「マンマ……あれ……」


ガクガクと震えながら指を指すと、マンマはいきなり笑い出した。


「やーだ、桃ちゃん! 」
「モモチャン? 」
「隠れてないで、出てきなさいよぉ」


言われて木陰から飛び出したのは、白いシャツにデニム姿の女の子。


年は幼く見えるけれど、きっと僕と同じ位だろう。


日本人は外国人よりも若く見えるというし。


「おばさん、お久しぶり」
「おばさんって言い方は何? 蝶子さんでしょ? 」
「はいはい」
「まー、14年も会わない間に生意気になって。2歳の桃ちゃんしか記憶にないから、ショックだわー」


ママが日本に帰るのは14年ぶり、つまり僕が生まれた頃。


その時、2歳という事は、カノジョは16歳。


年上の女の人だったと知り、ちょっとショックを受ける。


こんなに小柄で可愛らしいのに……。


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