サワーチェリーパイ 6ピース
桃ちゃんは、マンマの親戚にあたると知りホッとした。


それからマンマの実家に到着すると、僕は親戚の家へと連れまわされる。


もちろん、桃ちゃんも一緒。


「まー、蝶子ちゃんトコの子! 大きくなってー、いくつ? あ、日本語わかる? 」
「ワカリマス、14サイデス」
「あっらー、すごいわねぇぇー。さ、桃でも食べて」


このあたりは桃農家が多い、季節は6月。


当然、お客に出すのも桃。


最初のうちは、みずみずしくて甘い桃に感動したけれど、さすがに6軒目になるともう桃はイヤになって来た。


「モモバッカリー」
「食べなさいっ! 」
「そうよ、食べなよアーリオ」


桃ちゃんにまで言われ、しぶしぶ口にする。
< 43 / 104 >

この作品をシェア

pagetop