サワーチェリーパイ 6ピース
2人がかりで俺の体は運ばれ、小さな家の玄関から居間へと引きずり上げられた。


「だいじょーぶか? しっかりしろよ! 」


1人は天然パーマの男、なんだかコイツ、香水臭い。


「カーちゃんにバレたら、どうすんだよ! 」


もう1人は見た目もそこそこ良い、が、言葉がバカっぽい。


「救急箱よこせ、ほら。止血するから」
「お、おう」


こうして、2人の男からの微妙な看護を受け、アタマからの出血は止まった。


「痛くねぇか? 」
「ああ……」
「ケンカでもしたのかよ、そのツラ」


言われて横を向き、障子の下にあるガラスに顔を映すと、俺の顔が腫れあがっている。


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