サワーチェリーパイ 6ピース
そんな出来事があった翌日から桃ちゃんは学校で、やっと会えたのは1週間が終り、帰る直前の朝。


学校に行く前、僕にだけお別れのプレゼントを持って来てくれた。


「はい、アーリオ」
「アリガトー」


包みを開けてみれば、ビターチョコレート。


きっと、僕の大好物だから喜んでくれると思っているんだろう。


でも、僕はそんな物より、桃ちゃんの唇が欲しかった。


ポケットの中にチョコレートを押し込み、すぐに制服姿の桃ちゃんを抱き寄せてキスをする。


勿論、唇に。


「なっ……なに」
「スキダヨ、モモチャン」


初めて触れた桃ちゃんの唇は、柔らかくて甘くてあの白桃のよう。
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