サワーチェリーパイ 6ピース
僕の隣から立ち上がり、教室を出て行く彼女の後姿を見送りながら、そんな事を思った。


そして、次の英語学校の日。


本当に彼女は、僕の隣で居残りを始めた。


「ねえ、この文章でいいの? 」
「I win the championship in this contest、うん、これでいいんじゃない? 」
「ありがとう、あ、ごめんねジャマして」
「いいよ、仲間が居るとはげみになるし」


実際、そうでもないんだけど。


質問される度に、手を止めなくちゃいけないし。


正直に言えば、傷つけてしまうから。


「駿府君、ありがとう」


それに、この笑顔が見られて嬉しいのもある。


先生のような気分で、ルナちゃんと居残り勉強を続け、それが終ったのは夜10時。
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