サワーチェリーパイ 6ピース
そして、その週の日曜日、俺は晴斗と一緒に遊園地にいた。


「三次ぃー頼むよっ! ダブルデートじゃなきゃダメだって、ここちちゃんが! 」
「ダレが行くか」
「お願いしますっ、俺をオトコにしてくれっ! 」


土下座までして頼み込むバカな親友に負け、付き合ってやったのだ。


ちなみに、虹太は本命のカノジョとのデートがあるらしく晴斗がいくら頼み込んでも首をタテに振らなかったらしい。


まあ、この女の正体を知っているからだろうと思うけど。


「晴斗クーン、ねっ、今度はアレに乗ろっ! 」
「うん、ここちちゃーん」


バカップルが行ってしまうと、俺の目の前にはそう可愛くない女が1人。


女ってのは残酷なイキモノだ、自分より可愛くない女を連れて来るなんて。


「三次クン、私達も」
「まあ、そうだな」


それでも俺は、しかたなく付き合う。


一応、晴斗のカオを立てるために。
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