彼は高嶺のヤンキー様(番外編)




女の移り香がする男が、そのまま脱衣室に向かう。



「ちょっと!メスのニオイをつけたまま、入らないでよ!」



素早く消臭スプレーを手にして吹きかける。



プシュー!



「わははは!!欲求不満でうらやましいかぁ〜!?」

「馬っ鹿じゃないの!?ニオイがうつるのがイヤなのよ!」

「わははは!!」



痕跡(こんせき)が消えたところで、皇助をお風呂場に押し込んだ。



「わははは!俺様の世話、ご苦労!!」

「ホッント!女遊びもほどほどにしなさいよ!ロクデナシ!」



文句を言ってから、野獣のいるエリアから離れる。

朝食をとるため、ダイニングへ。




「おはよ〜みんな♪」

「おう、おはようモニカ。」

「おはよう。今日もキッチリ、2時間かけての身だしなみか?」



いたのは、可愛いみーちゃんと美男子のイオリン。

ここは普段、コーヒー専門のカフェ『フェリチータ』の店内。

2人が座っている場所も客席。

でも、フェリチータが『Close』の時は、ここの住人専用の広いダイニング空間になるの。

あたしを含めて、みんな決まった定位置に座る。

あたしもあたしの席に座りながら聞いた。



「ねぇ、今日はれーちゃんが食事当番よね〜?」

「せーかい♪おはようさん、モニカ。」

「れーちゃん!」



オープンキッチンから、朝食を持った男前が出てくる。



「おはよ〜れーちゃん!それ、あたしの分?」

「モニカちゃんしかいないだろう〜?フルーツたっぷりメニューは?」

「あん♪嬉しい〜フルーツサラダのドレッシング、ヨーグルト入りにしてる〜?」

「してる。してる。食後にプチケーキもあるぞ〜」

「あら、朝からケーキ?」

「モニカが、『夜食べると太る!』って言ったから、烈司が朝にしたんだぞ?」

「うっそ!?あ〜ん、嬉しい〜!ありがと、れーちゃん♪」

「いえいえ。どういたしまして、モニカちゃん?」



可愛いみーちゃんの説明を聞いて、ハンサムなれーちゃんにお礼を言えば、甘いマスクで笑い返してくれた。


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