彼は高嶺のヤンキー様(番外編)
深夜、凛が『帰りたくないけど帰ります〜』と言って帰宅した後、モニカがしみじみとつぶやく。
「『愛』って、女を強くするのね〜」
「また強くなったのか、モニカ?」
「あたしじゃなくて、高千穂ちゃんよ!みーちゃん!!」
オープンキッチンにいるみーちゃんに伝えながらカウンターに座る。
それでみーちゃんは、ウサギの描かれたカプチーノを出してくれた。
「高千穂がどうした?凛か?」
「ええ・・・」
「そういや、キレてたなー凛がまたなんかしたんか?」
「凛ちゃんは悪くないわ!悪いのはあたし!」
「オメーが?」
「そう!ああ・・・あたしが高千穂ちゃんの頬っぺにチューしたばっかりに、デキてると凛ちゃんが勘違いしてしまったのよ・・・!可哀想な凛ちゃん!!」
「そりゃあ、凛は悪くねぇーよ!!」
あたしがそう言ったら、真面目な顔だったみーちゃんがキレる。
「なにお前!?凛と高千穂の仲を引き裂く気か!?」
「違うわよ!高千穂ちゃんが−−−・・・」
「なんだよ!?」
「あの子なりに・・・あたしに気を遣ってくれたのよ。凛ちゃんのことで・・・。」
「あ?」
「あたしを大事な、1番尊敬してる大好きな先輩だから、凛ちゃんについてのことも、理解してますってことを・・・ね?」
「・・・そ−かよ。」
それでみーちゃんの声のトーンも下がる。
「なぁ、マジで凛を『女』として、『想ってる』のか?」
「バカねぇ−あたしは凛ちゃんの良きお姉ちゃんよ?」
遠慮気味に聞くみーちゃんに伝えた。