彼は高嶺のヤンキー様(番外編)
(頑張って、社会でのオネェのマイノリティー人権を勝ち取らなきゃね〜・・・)
決意を新たにしながら、部屋の電気を消そうとした時だった。
ドッ!ドッ!ドッ!
「へ?」
地響きがする。
「わはははは!」
「きゃあ−−−!!?」
ドアが蹴破られる。
目をギラつかせたケモノが飛び込んできた。
「モ−ニカっ!!」
「皇助ぇ!?」
間違えた!
ケモノじゃなくて、野獣よ!
〔★あまり大差ない★〕
「!−・・・!?」
「!!」
これから夜の町にくり出そうという姿で、あたしへと近づいてくる。
ベッドで、上半身を起こして固っていたら言われた。
「わはははは!オメー、俺様へのおやすみのあいさつはどうした!?」
「はあ!?あ、ああ・・・おやすみ、皇助・・・。」
「わはははは!良い夢見ろよ、オメー!?」
グイ!
「え?」
後ろ頭を捕まれたと思ったら、あたしの唇が皇助の頬っぺたとくっついていた。
「なっ・・・!?」
「わはははは!!」
楽しそうに笑いながら、ドスドスと足音を響かせながら部屋のドアを閉める。
1度も振り返らず、野獣は出て行った。
「・・・・・え?」
ほっぺにチュー・・・・・したことになるわよね?
「てか、『押し付けて』行った・・・?」
なんでと思った時、皇助にだけ、あたしは『さぐりのキス』をしていなかったことに気づく。